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世界のことばアラアルト - 大分県青年海外協力協会 > みんなの交流広場

大分県出身,在住のJICA(ジャイカ)国際ボランティア帰国隊員による、組織と活動の紹介ブログ。壮行会,講座,イベント出展,現地レポートなど。赴任・活動環境や派遣前訓練、現職,短期,シニア等の募集制度、倍率,給料,就職の実態。

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世界のことばアラアルト

世界のことばアラアルト(新連載!?)

はじめに
私が協力隊経験によって得た大きなものの一つに人間が好きになったことが挙げられます(もともと動物の方が好きだったんですが・・・)。それは、単に隊員仲間や任国の人の中で、素敵な人たちに出会ったため人が好きになったというのもありますが、異文化とのふれあいを通じて人間の文化って面白いなぁと思うようになったこともそのひとつです。文化の中でも私は食べ物とことばにいちばん興味を持っています。食べ物については他に連載があるのでここではことばについて書きます。ことばと言うと、何となく言語学とか文化系の分野のような感じですが、理科系の私にはむしろ生態学のような感覚で、人間のことばや他の文化を人間の生態のひとつとして、まるでパプア・ニューギニアにいるネッタイチョウの珍奇な生態に驚嘆するのと同じような感覚で興味を持っています。
www.ethnologue.comによりますと世界には、6,909の言語があるそうです。
たったひとつの言語でも使えるようになるには結構な労力が必要ですし、ましてマスターするなんてことは至難の業です。当然、6,909の言語をマスターするなんてことは誰にもできません。でも、協力隊員・隊員OBがそれぞれの言語に取り組む中で、今まで常識と思っていたことが、ひっくり返るような、そんな変わったことばの要素がたくさんあると思います。それは文法かも知れませんし、発音かも知れませんし、語彙かも知れません。多くの隊員・OBの皆さんにそんなことをアラカルト的に書いてもらえれば、言語という人間のひとつの面白い生態を映し出す、楽しい連載になるのでは無いかと思い、勝手に連載と立ち上げることにしました。
では、連載が続くことを信じて、私の任地のタガログ語を皮切りにしたいと思います。
タガログ語(その1:形容詞と名詞の順について)
 普通の日本人は、最低、日本語と英語は習ったことがあります。はじめて英語を習うと、日本語とはずいぶん違う点があるのに気がつきます。しかし、同じところもあります。この2カ国語しか知らないと、これら共通なところは、すべての言語で共通であると錯覚してしまいます。例えば、形容詞で名詞を修飾する時も、日本語も英語も形容詞が先に来て、次に名詞が来ます。しかしスペイン語のようにヨーロッパの言語の多くもこの順が逆になるようですし、タイ語等、アジアの言語でも逆になるものが多く、世界的には名詞+形容詞の順の方が主流なのかも知れません(皆さんの任地の言語はどうですか?)。この順番ですが、英語でもsomethingのように形容詞が後から来るような例外的な名詞もありますし、properのように名詞の前に来るか、後に来るかで意味が異なってくる形容詞もあります。
さらに英語では、形容詞句が長くなれば、修飾される名詞がどこに行ったか分からなくならないように名詞が前に出てきます。「昨日私が出会った、黄色い服を着た、きれいだけど、ちょっと性格がきつそうな女」と言ったように、頑なに名詞が最後に来る日本語という言語は、珍しい言語なのかも知れません。
 翻って、タガログ語ですが、形容詞と名詞の順番は決まっていません。例えば、黄色い花と言う時、dilaw(黄色)とbulakla,(花)という単語をnaという繋詞でつなげますが、その順番は、dilaw  na bulaklakでもbulaklak na dilawでも構わず、どちらも黄色い花という意味になります。黄色と花の組み合わせくらいなら語順がどっちでも意図するところが汲めそうですが、全ての組み合わせで、この「どっちでも良い語順」で成り立つのかちょっと不思議です。律儀に順番を守ろうとする日本語と最初からどっちでも良いタガログ語、なんとなく民族性がかいま見れるような気さえします。
 今回は、ここまでです。そのうちまたタガログ語の別の側面について書こうと思います。他の言語のことも知りたいです。よろしくご投稿願います。

63/2 フィリピン 長岡 健朗

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